消える前に……



隣を歩く

綾のほうを見る。


綾も俺のほうを見て、

微笑んだ。


何を話せばいいか

分からなくて、

俺たちは無言で歩いていた。


二人で歩くとき、

いつもなら手をつないでた。


だけど今日は

綾の手をつなげなかった。


全部覚悟したから。


だから、

つながなかった。


外灯の光が

あちらこちらに見える。


さっきの綾の微笑んだ顔は、

寂しく見えた。


俺の気持ちとか、

覚悟とか

全部わかっているかのように。