消える前に……



俺は机の下で

拳を強く握り締めた。


いつの間にかこれが

癖になっていた。


「…すずっ……!!」


先生が俺の名前を

呼ぼうとしたときに

チャイムが鳴った。


「どうしたんですか?」


「いや、何でもない。」


井上先生は

続きを言おうとしなかった。


「そろそろ学校終わりですよね?
教室一緒に戻りましょうか。」


俺はそう言って、

井上先生と教室に向かった。


井上先生は俺の少し後ろを

歩いている。


明らかに元気がなくて、

いつもの井上先生じゃない。


階段を上ったところで

俺は前を向いたまま、

井上先生に言った。