消える前に……



俺は堅く決めたことを

変えることなく、

しっかりと答えた。


「だからです。
だから、伝えないままにしたいんです……。」


「鈴木…?」


俺の言っていることが

分からないかのように、

井上先生は尋ねた。


「最後に見る顔が悲しい顔なんて
嫌じゃないですか。
最後の顔ぐらい
笑顔の方が良いです!!
その方が…
その方が、辛くない……。
一人になっても辛くない……。」


そんなこと言ってみたけど、

辛くないわけない。


辛いに決まってる。


一人になんかなりたくない。


みんなとずっといる方が楽しい。


青西の友達や、家族。


それに朋樹や未紀。


一輝に奈央。



そして、綾と。