消える前に……



俺は理由も言わず、

ただ一言謝った。


「じゃぁ進路相談室にでも先に行っといて。」


「わかりました。失礼します。」


俺は軽く礼をして、

職員室を出ていった。


廊下を歩いている時に

チャイムが鳴った。


それと同時に、

たくさんの生徒の声が聞こえてくる。


その声を聞きながら、

進路相談室に歩いて行った。


進路相談室の扉を閉めると、

さっきまで聞こえていた声は

一気に小さくなった。


壁に掛けられた絵。


部屋の隅に置かれた小さな花瓶。


そんな何気ないものを見ながら、

井上先生が来るのを待った。


数分後に井上先生が来て、

俺の向かい側に座った。