消える前に……



俺は教科書を閉じて

机の上に置いた。


鞄のファスナーを閉め、

走って家を出て行った。


何も考えないように…。


何も思い出さないように……。


何回も通った通学路。


そこを俺は足早に過ぎていく。


時計の進む速さは変わらずに、

俺はいつもと同じように

学校についた。


そのまま俺は

職員室に向かった。


職員室の扉を開けると、

井上先生が俺に気づいた。


俺は井上先生のもとに歩いていき、

声をかけた。


「先生、話があるんですけど良いですか?」


「どうした、鈴木?
今日は学校も遅刻しているし珍しい。」


「すみません。」