消える前に……



「うん!
すっごく良い思い出になった!
また一緒に来ようね!」


綾は笑顔で

そう言った。


本当に何もなかったら、

「うん!一緒に来よう。」

そうやって言えた。


だけど、

俺には次なんてない。


だからすぐに

返事ができなかった。


綾には嘘をつきたくなかったから。


「暗くてよく見えないや。」


俺は本当にズルい人間だ。


嘘をつきたくないから、

そう言って

さっきの綾の言葉を

聞かなかったことにした。


「私も修君の顔、
少し見えない。
だけど、
修君はちゃんとここにいる…。
笑顔だって、
それだけは
見えなくたってわかるよ。」