消える前に……



観覧車の前に行くと、

『待ち時間20分』の看板があった。


俺が綾の方を向くと、


「話でもしながら待とっか!」


そう言って

にっこりと笑った。


授業中は長いと感じる20分も

綾と二人で待つ

この20分は

全然長く感じなかった。


綾にはたくさん

話したいことがあった。


だから20分なんて、

本当に欠片のような

時間でしかなかった。


スタッフの人に案内されて

俺と綾は

観覧車に乗った。


ゆっくりと動き出す観覧車。


少しづつ高くなるほどに、

見えなかった景色が

見えるようになってくる。