消える前に……



綾のその反応に

俺が忘れてしまった

思い出の中の

大切な一つだった

ということを

俺は知った。


指輪は俺と綾の

思い出の一つで、

綾にとって

本当に大きな存在なのに、

忘れてて、

何も思い出せない。


そんな無責任な

言い訳はしたくなかった。


だから、

俺は綾に言う言葉が

見つからなくて、

黙り込んでしまった。


俺って本当に最低なやつだ……。


俺も綾と同じように、

つらくなってきた。


だけど、

俺の辛さなんて

綾の辛さに比べたら

本当に小さなものでしかなくて……。


俺の言葉で綾は

今すごく苦しんでいる。