消える前に……



だから、

俺はそんな自分が

嫌いだった。


でもそれ以上に、

綾を傷つけてしまったことが

俺にはつらかった。


なぜか綾は

一番傷つけたくなかった。


何で一番、

傷つけたくないのかは

わからなかったけれど、

でも一番、

傷つけたくなかったのは

確かに綾だった……。


だけど俺は、

君のことを

全然思い出せなかった。


だから、

綾を傷つけてしまう

かもしれない

と思いながらも

綾に聞くことにした。


「その指輪って、
俺との思い出のものだった?」


その言葉に綾は、

驚いたように

俺の方を向き

小さくうなずいた。