消える前に……



俺たちの学校は

校則は厳しくないから

アクセサリーを

学校に付けていくのも

良いのだけど、

学校で指輪をつけるのは

あまり良くないと思い、

綾は学校から帰り、

家にいる間だけ

指輪をはめていたのだった。


「その指輪…。」


俺がそう言うと、

綾は何も言わずに

俺を見つめてきた。


「その指輪きれいだね。」


俺が言葉を続けると、

綾は急に悲しい顔をした。


俺が指輪を見て、

指輪のことにふれたから、

俺が何かを

思い出してくれたのかもしれないという、

期待をしたのだった。


だけど、

俺が続けた言葉は

全く思い出していない様子で

綾は悲しくなったのだった。