俺は病気の進行に 気付かなかった。 いや、 全く気付くことができなかった。 いつの間にか、 大切な親友たちの記憶も、 消えてしまっていた。 この俺を知ったら、 『俺』は悲しむんだろうけど、 『俺』はこのことに 気づくこともなければ、 知ることもない。 だから、 悲しむこともできない。 でも、 俺の心にはぽっかりと 大きな穴があいたような気がして、 俺はその穴に 何があったのかも気づくこともなく、 心にあく穴が増えていくのを 見ることしかできない。