本当に大切なことは、

大切なモノを失ったり、

本当に何もかもに絶望した時にしか

分からないものなんだ。


だから、

僕達は本当に大切なものに気付かずに、

壊してしまう。


そして、

後から気付くんだ。


本当に大切なモノを

自分は失ってしまったって……。


そう考えると、

俺は本当に幸せだなって思えた。


失う前に大切なモノに

気付くことができて……。


その大切な人たちと

一緒に笑顔で歩くことができて。




「もう一回走るか!!」


俺がそう声をかけると、

朋樹たちは笑顔で

返事をしてくれる。


「教室まで競走な!!」


俺たちはまた

笑顔で走っていく。