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僕は君がいなくなった日からも変わらずにこの場所に来ている。

二人で歩いた一本道に今、延びる影は一つだけ。

僕の左手に君の右手はない。

僕はこの道を歩く。

寂しくなんかないさ。

僕はこの道を歩く。

涙なんか流さないよ?

僕はこの道を歩く。

僕は顔を上に向けて夜空を見つめる。

空には光の砂を散りばめたような星々と、丸くて大きな月が広がっている。

僕は、その大きな月を見つめてまた思いだす。

僕はこの道を歩く。

寂しくなんかないよ?

僕はこの道を歩く。

涙なんか流さないよ?

これは強がりなんかじゃない。