手紙を閉じたとき、君は涙をためた瞳で笑顔を作っていた。


「本当は読む前から何となくわかってたよ。
あなたのことは何だってお見通しなんだから。
だけど、やっぱり涙は出ちゃうね。
私は、あなたのことが好きだから。」


君は自分で涙をぬぐいながら、小さな封筒の中に僕の手紙をしまった。

そして、その封筒を机の引き出しの中にしまい、引き出しの鍵をかけた。


「この引き出しは私の思い出。
私の過去が詰まってる。
だから私は鍵をかけて、前を向こうと思うの。
あなたに誇れるような私になるために。」