この打ち上げ花火とともに、君との思い出を胸に刻もうと思った。

君と一緒にいた時間を。

君と最後に一緒に見た花火を。

この目に焼き付けておこうと。

10年たっても、100年たっても忘れないように……。

ライターの火が打ち上げ花火の導火線に触れ、小さく火の粉が出てきた。

僕は打ち上げ花火から離れ、君の隣まで走って行った。