君は笑顔を作っていたけれど、少し悲しげな顔をしていた。

君のことは僕が一番よく知ってるよ?

君がどれだけ耐えているか。

君がどれだけ無理をしているか。

そんなに無理しないでよ。

そんなに悲しい顔しないでよ。

君の家を離れ僕は一人、夏の夜道を歩く。

住宅街だから道は明るい。

僕の心の中なんか全く知らないで。

空を見上げればいつもと同じ星空が広がっていた。

僕のことなんか何も知らないで世界は僕を置いて走り去って行く。

それを追い掛ける術も知らずに。