僕はこの道を歩く。

街灯はなく、暗く足もとの見えないこの一本道を。

僕はこの道を歩く。

一本道を歩く僕の体を涼しい夜風が包み、そしてまた去っていく。

僕はこの道を歩く。

僕は夜風と共に草の香りを感じる。

僕はこの道を歩く。

草の香りは、もう少しで夏が終わることを告げる。

僕はこの道を歩く。

僕は前を向いたまま静かに瞳を閉じた。

僕はこの道を歩く。

瞳を閉じると、今までの思い出が頭をよぎりまた過ぎ去っていく。