「えっ、何してんの」


それはどう考えてもこっちのセリフだと思う。


「……あっ…えっと…」


「帰ったんじゃねーの?人んちの玄関勝手に開けて入ってくるとか不法侵入って言うんだけど」


ケント君はいかにもここにいるあたしが悪いように言い放った。


「ケンちゃんどうしたのー?」


甘えた声が奥で響く。


「ちょっと待ってー、大家さんだからー」


ケント君は部屋の奥に向かってそう言った。


え?何これ?

まず彼女のあたしに何の弁解もなく、大家さん扱い?

あたしが大家さん?


は?

絶対に認めたくない展開に、どうやら今は流れている。


あたしは…何なの?

ケント君の…何?