「ふふっ、やだ、もうっ…」


一瞬、何が起きているのか理解できなかった。


「もっ……」


部屋を間違えたのかと思った。


「ケンちゃ…ん」


だけど、どうやらそうではないらしい。


玄関先にまで響く女の声。

視線をおとすと、黒のロングブーツがそこにあった。


女がいる。

そして、奥では……


想像しただけで、力が抜けていく。

信じられなくて、思わずよろけた。



「何か音しなかった?」


そしたら女がそう言って。


その直後、全身素っ裸のケント君が奥から出て来た。