マジかよ、後ろ?
窓際の一番後ろはあたしにとっては素晴らしく良い特別席だったのに。
後ろを振り返ると朝はボーッとしていて気付かなかったけど、本当に新しく机が置かれていた。
うわー、すっごいウザい。
そう思いながら前を向くと、転校生の吉岡がちょうどあたしの横を通り過ぎた。
後ろでカタンと音が鳴る。
誰もいないと気なんて使わずに済んだのに、後ろに転校生がいるってだけで面倒に思えてくる。
だって、分からないこととか聞かれそうじゃん。
「なぁ」
えっ?ウソ、早速?
聞こえてきた声に振り向くと、転校生はあたしの顔を見てクスッと笑った。