結局、家に帰るまでの間に五回もかかってきた電話。


だけどそれを無視し続けたあたしが家に帰ると。




「真優!今何時か分かってるの?」


いつものごとく玄関のドアを開けた瞬間、バタバタとリビングから飛び出してきたお母さんが説教を始めた。


「8時半過ぎでしょ、分かってるし」


イライラする心。

また説教?勝手にすれば?


「門限守るって約束したでしょ?お父さんと」


「…はいはい、あたしが全て悪いです、申し訳ありませんでした」


嫌味たっぷりに言葉を返した。

だけど何故かお母さんは、珍しく何も言い返してはこなかった。