何であたしがこんなとこで降りなきゃなんないのよ⁉︎


だいたいあのハゲ、逃げ足早過ぎなんだよ!

絶対次見つけたらぶっ殺す。

女子高生ナメんじゃねーよ!


苛立ちが止まらなかった。


次の電車に乗りこんでも、しばらくずっとイライラしていた。


だけどカバンの中で震える携帯に気付くと、すぐにそれを取り出した。


ケント君からかもしれない。

そう思ったからだ。


なんだよ…


でもそんな期待はアッサリと消えた。


お母さん、という文字が液晶画面に映っていた。


時刻は8時前。

また門限破りの説教電話?


いちいち電話してくんじゃねーよ。