「なんだ、クリスマスカードか?」
新聞を広げながらお父さんがこっちをチラッと見ている。
「えっ、あぁ…そんな感じ」
何故だかドキドキして、慌てて切符とカードを封筒の中に戻した。
「今日、仕事なるべく早く終わらせて帰るから。誕生日用にケーキも買ってくるし、遊びに行っても門限までにはちゃんと帰ってくるんだぞ?」
「うん、分かってる」
お父さんにコーヒーをいれてあげると、あたしは封筒を手にして自分の部屋へと戻った。
ベッドにゴロンと寝転び、もう一度切符を取り出す。
天国への切符…か。
っていうかいくらなんでも無理でしょ。
あいつ、何考えてんの?
半分そう呆れていたけど…
わざわざこんな手のこんだことするなんて…あいつらしいな…なんて。
半分嬉しいような気もした。



