「弟は…っ…中学の校舎の屋上四階から…っ…飛び降りて…っ」
泣きながら俺が言うと、隣で平野も泣いていた。
ヒクヒク声を裏返らせながら、子供みたいに泣いてた。
俺も、我慢出来ずに声をあげて泣いた。
秀二を思い出して…泣きながら話した。
秀二は自殺だった。
飛び降りた場所に、ノートを千切った紙が置かれていた。
母さんごめんなさい。
兄ちゃんごめん。
じいちゃん、ばあちゃんごめんね。
今までありがとうございました。
秀二の字でそう書かれていた。
だけど理解できなかった。
分からなかった。
何で秀二が自殺なんてしなきゃいけないのか。
何で秀二がこんな姿にならなきゃいけなかったのか。



