天国への切符




純平はいつも俺を輪の中に引っ張ってくれた。


だから、自然と友達も増えていった。


笑うことも増えて、遊びに行くことも増えて。

中学に上がると、純平たちと一緒に野球部に入った俺は、毎日朝練や放課後の練習に追われてた。


休みの日も部活や練習試合で汗を流してばかりで。

だけどそんな毎日が、すっげー楽しかった。



でも、秀二はそうじゃなかった。


転校してから、あまり笑わなくなった。


幼い頃からずっと。うるさいくらいに俺にまとわりついてきていたのに。

俺が話しかけても、うん、とか、そうなんだ、とか。

短い返事しかしなくなってて。


俺に話しかけてこなくなった。


性格が、あきらかに暗くなってた。


だけど俺は、毎日の部活でクタクタで。


そんな秀二にかまってやることも出来なかった。