天国への切符




夏が終わり、9月を迎えると環境が大きく変化したこと思い知らされた。


俺たちは田舎町の小学校へと転校して。


通学には、片道40分以上かけて坂道を上がったり下ったり。

そんな毎日が始まった。


雨の日もすっげー寒い日も。

秀二と歩いて学校に行って。


好きだった野球も全然しなくなって。


慣れない関西弁。

標準語との壁。

何にもない田舎町。



すぐに…あの町が嫌になっていった。


帰りたかった。


俺たちが生まれ育った町に、すぐに帰りたくなった。