俺には、三歳年下の弟がいた。
昔っから、「よく似てるね」とか。
知らない人から声をかけられたこともあったくらい、秀二と俺はよく似てた。
好きな食べ物もだいたい同じで。
納豆とセロリが苦手なところも同じで。
いつもちょこちょこくっついてきて。
僕も、僕も、って。
兄ちゃんと一緒がいい!って。
いつもいつも、俺のことばっか追いかけてきてた。
俺のやることなすこと全部…同じように真似してた。
俺が少年野球を始めたら
「僕もやりたい」と秀二も始めたり。
一緒にゲームをしていたら、泣きべそかきながら「絶対勝つんだ!」なんて。
必死こいて勝つまでやらされたり。
あいつにとっての俺は、兄貴っていうよりライバルみたいな感じで。
一生懸命俺についてこようとするそんな姿は、いつも可愛かった。



