「大丈夫…?」
少し遠慮がちに聞こえてきた平野の声。
「あぁ、大丈夫。つーか…ごめんな、いきなりその…泣いたりして」
そう言葉を返すと、うん、と言いながら隣で小さく頷いたのが視界の端で見えた。
何から…話そう。
何から話せばいいんだろう。
頭ん中は全然整理なんてついてなくて。
だけど俺は、出て来る言葉をそのまま平野に話そうと思った。
そしてーーーー
「俺……弟がいたんだよね」
そう切り出した俺に、平野はうん、と相槌を打ちながら話を聞いてくれてて。
「秀二っつーんだけどさ」
だから俺は、結構落ち着いて話すことが出来ていた。



