冬の公園は、夕暮れ時のせいもあるのか俺たち以外には誰もいなかった。


ヒューッと吹いた強い風。

寒そうな木の枝にわずかに残っている葉を大きく揺らす。


隣同士で腰掛けたベンチはやっぱり冷え切っていたけど。



「大丈夫か?ケツ」

「…冷たい」


クスッと笑いながら肩をすくめた平野に、思わず笑顔がこぼれた。



「つーかさ…」


「うん」


「ひとつ聞いてもいいか?」


「えっ?…うん」


「やっぱりいきなりいなくなられると…きついよな」


「えっ?」


「母親が事故に合うなんてさ…予想も出来ないわけじゃん」



俺が言うと、平野はうん、と言って。



「きついっていうか……後悔ばっかりなんだよね」



そう言って空を見上げた。