「あ、うん…ありがとう」
あたしが言いながらストーブのある場所に行くと、聖子達も自然とそこに集まってきて。
あたし達は冷えきっていた指先を温めた。
だんだん賑やかさを取り戻していく教室。
ふと教室の後方に視線を向けると、男子と輪になっていた吉岡の姿に目が止まった。
あいつが…いてくれて良かった。
吉岡がこの町に戻ってきてくれて。
この高校の、このクラスに来てくれて。
…本当に、本当に良かった。
クラスメイトと笑い合う吉岡を見ていると、改めてそう思った自分がいたけど。
「あははっ、キモイんだけどー!」
次の瞬間、目が合ったあたしにわざと変な顔をして見せてきた吉岡の姿に、ぷっと笑いながらそう言った。



