「おはよう!平野」

「真優ちゃんおはよう!」



学校に着いて教室に入ると、あたしに気付いたクラスメイト達が次々におはようと言ってくれた。


きっとみんな、お母さんを亡くしたことを知っているから。

だから…いつもよりも明るく接してくれているような気がした。


賑やかな教室。


休む前とは、空気が変わったような気がする。



だけどその中に、見つけた。


ぽつん、とひとりで座ったままのサエの姿。


その背中は何だか寂しそうに見えた。



「真優、大丈夫だった?」



その時、登校してきた美波があたしに気付いて駆け寄ってきた。


「うん、もう大丈夫。ごめんね心配かけて」



あたしの周りには聖子とノア、美波が輪になっていた。


だけどサエは、そこにひとり。


このままじゃダメだ。