いつから始まったのかは分からない。 だけどこの国では人が死ぬと、魂だけじゃなく体も焼かれてなくなる。 火葬して、骨だけの姿に変わるのだ。 眠っているような体を、焼いてこの世からなくしてしまう。 魂も体も、この世界から葬るのだ。 生きていたのに。 ほんの少し前までは、普通に毎日を生きていたのに。 そう思うと、火葬場に着いた途端、苦しいのと悲しいのと…いろんな感情が混ぜ合わさってうまく息が出来なかった。