お通夜の夜も、お葬式の日も。


あたしは喪主をつとめるお父さんのそばで手伝えることは何だってやった。


久しぶりに会う親戚の対応も、全てあたしが率先してこなした。



みんな泣いてた。


おじさんも、おばさんも、いとこのお姉ちゃん達も。


みんな泣いて、お母さんとの最後の時間を過ごしていた。



だけどあたしは、お通夜の夜もお葬式の間も…一度も泣かなかった。


泣いちゃいけないと何度も自分に言い聞かせた。

だから、涙は流さなかった。


でも、そんな自分の神経を疑った。



だって…ボケ始めていたあのおばあちゃんでさえ、ずっと泣いてたんだ。


子供みたいにわんわん泣き声をあげて…ずっと泣いてた。