「ごちそうさま」
月曜日。
学校に行く用意を済ませて朝ごはんを食べると、あたしはすぐに席を立った。
「もう行くの?ちょっと待ってお弁当持ってくるから」
だけどリビングを出ようとした時、お母さんがいつものように慌ただしく動いてて。
あたしもまた、いつものようにそんなお母さんを無視して玄関に向かう。
本当は謝ろうと思ってた。
おばあちゃんのことで、あんなこと言ってごめん、って。
この土日たくさん考えて、そうしようって考えてた。
「はい、お弁当」
「……行ってきます」
だけどあたしは素直になれなかった。
謝れないまま、玄関のドアを開けた。



