「最初はさー、超優しい奴じゃんって思ったの。カッコイイし助けてくれるし、いいなぁって思ったりもしてた」



美波はそう言うとクスッと笑って。



「でも吉岡、真優のことばっかり気にしてるんだもん」




言いながら、あたしの方に顔を向けた。




「えっ、あたし?」


「うん、分かんない?」


「全然分かんない」


「本当に⁉︎私の勘違いなのかな?でも…そう見えるから。だから対象外になった。ほら、またモメたくないしね」



美波はそう言うとバツが悪そうに笑う。


サエとの一件以来、変なトラウマがあるのかもしれないな…。



「でもさ、あいつはずっと美波のことも気にしてたし。あたしのことを気にかけてくれてるとしても、それはサエ達との関係を気にかけてくれてるだけだよ」



あたしがそう言うと美波はなんだか腑に落ちないような表情をしていたけど。



「まぁ、とにかくさ、私がさっき吉岡のこと心配したのは友達としての心配だから」



美波はそう言って笑顔を見せて。



「じゃあ、また来週だね」



ちょうど帰る道が分かれる頃、手を振りながら帰っていった。