天国への切符




「…おはよう、真優」



美波は少し戸惑っていたようだけど、あたしがニコッと笑うと笑い返してくれて。



「おはよー!」


えっ?


一体何が起きてるんだろう?



「おはよ!」



クラスメイトの渡辺と桜井。

男子ふたりが今目の前で美波におはようと声をかけてくれた。



「あっ……おは、よう」



とにかく美波は驚いていた。


あたしも驚いた。



でも……本当に嬉しかった。


おはよう、って言葉を聞いてこんなにも嬉しく感じたのは生まれて初めてかもしれない。


それくらい嬉しくて。



「ありがとう」


すれ違いざま、渡辺と桜井にあたしはそう言った。



そしたらふたりは照れくさそうに笑ってて。


冷たいと感じていた教室の空気が、一瞬だけ温かく感じられた。