「あのっ、真優…」



放課後の教室。

サエや聖子達が揃って出て行くと、しばらくして美波があたしのところに近づいて来た。



「お疲れ!美波」


「うん…お疲れ」


「一緒に帰る?」


「えっ?でも真優…」


「いいじゃん!帰ろ!」



あたしがそう言うと、美波は一瞬戸惑っていたけど。



「いいからいいから!」



そう言ってあたしが美波の腕を掴むと、コクッと頷いて一緒に教室から歩き出した。



美波が何を言ってこようとしてるのかが不思議と分かってしまって。


でも、それよりも先にあたしは自分の気持ちを美波に伝えなければいけたいと思った。



「あのさ、美波」



校門を抜け、一緒に走り出す自転車。


ゆっくりと進みながら、あたしは口を開いた。



「ごめんね、ずっと…」


「えっ?」


「無視したりヒドイこと言ったり…それから…前髪のことも…本当にごめん」



まず、とにかく謝りたくて。

ごめんねって気持ちを伝えたくて。


なのに美波は。


「ううん、私の方こそ本当にごめん」


そう言ってあたしに謝ってきた。



「な、何で美波が謝んの?」


「だって真優…私のせいでみんなに無視され始めたでしょ?私なんかと話してたせいで…」


「それは違うよ?あれは全然関係ない。あたし…最近ずっと考えてたんだ。このままでいいのかなって」



最近のモヤモヤしていた気持ち。

悩んでいたこと。


あたしはそれを全部美波に話した。