「笑ってたら楽しいじゃなくて。楽しいから笑う。そうありたいってことだろ?」
「なんかよくわかんないけど。でも……そういうことなのかな」
あたしがそう答えると吉岡はクスッと笑って。
「変わるのも変わらないのもお前次第だよ」
優しい声でそう言った。
変わるのも変わらないのもあたし次第?
「もう一つ言うと、変えるのも変えないのもお前次第」
吉岡はそう言うと、あたしの背中を隣から力強くポンっと叩いた。
「痛っ!何よいきなり」
「お前が変われば周りだってきっと変わる」
「えっ?」
「今を変えたけりゃ、まず自分が一番に変われっつーこと」
夕焼けに照らされた吉岡の横顔は。
「そういう奴がひとりでも増えたら…教室も、学校も、世界だって変わるんだよ」
何でだろう。
少しだけ、悲しそうに見えたんだ。