天国への切符




ブレーキをかけた瞬間、キキーッと鳴った鈍い音。


家の前にいる吉岡とふと目が合って、何故だか気まずい雰囲気になった。



「…何してんの、人ん家の前で」


「お前を待ってたんだよ」


「…そう。何か用?」



ぶっきらぼうにそう言うと、ジッとあたしの目を見て吉岡は言った。



「お前らさ、友達だったんじゃねーの?」


「えっ?」


「今は仲良くないとしても、友達があんなことされてた時、何考えてた?何とも思わなかったのかよ」



冷静で、だけど力強いその声は、あたしの心をかき乱していく。



「お前らがやってることはイジメって言うんだよ」


「……」


「なのにあいつ…私が悪いからって…泣きながら絶対先生には言わないでくれって。だから…言おうとしたのに言えなくて」



…ウソ?


美波がそんなこと言ってたの?