「なこ、行くよ」
「うん」
少し元気がないなこ…。
何でだ?
家を出るときは普通だったのに。
俺が取材受けてる間に何かあった⁉︎
「なこ?どうした?」
「何でもないもん」
口を割りそうにない。
次の仕事に遅れちゃまずいし…。
車の中で話を聞くとしよう。
「次は打ち合わせだ。今度オープンする帽子屋のやつ」
「あぁ。カタログの?」
「そう、それ。コレ資料だ。見とけ」
「はーい」
帽子な〜…。
え、俺がデザインする企画とかあんの⁉︎
マジかよ…。
「JUNさんはどう思います?」
「そうっすね〜。このタイプは俺じゃなくて女性の方が…」
「でもコレメンズの帽子っすよ?」
「メンズだけど、女性もイケそうじゃないっすか?多分このデザイン流行りそうだし‼︎」
「そうっすね」
「女性が使うとこうなるよ〜みたいな感じで紹介するんすよ。男にも女にも買ってもらう〜的な?」
「イイっすね、それ‼︎」
うん。しっかりしてね、編集長。
あ、このハット超イイ…。
注文しとこ。
このニット帽、なこっぽいかも…。
これも注文しとこ。
「じゃ、そういうことで‼︎来週はいよいよ撮影なんで、JUNさんよろしくお願いします‼︎」
「はーい」
着々と仕事を片付けて…。
目指せ‼︎なことの2人旅行‼︎
「はい次〜。淳と猫は車ん中で飯食えな?30分はかかるから」
「了解っす」
あ‼︎
まだなこ機嫌悪い…?


