結局全然眠れなかった俺。



なこがいつ起きて、泣き出すか心配で…。



なこが起きるまでずっと抱きしめながら、なこの寝顔を見ていた。



その寝顔は、やっぱりまだ子供で…。



色んなことを抱えるには小さすぎるんだ。



「淳…」

「なこ、起きたか?」

「うん…」



ケンさんが迎えに来るのが10時。



今は朝の9時。



1時間か…。



とりあえず朝風呂〜。



「なこ、昨日風呂入った?」

「………」

「やっぱり入ってねぇよな…よし、一緒に入るか‼︎」

「いいの?」

「あぁ。なこが嫌いな風呂に入ろうと努力するなら、俺も頑張って慣れるよ」



……なこの裸に。



「淳…好き‼︎」

「はいはい。早く脱げ〜」



このマンションの風呂、無駄にデカくて助かった…。



俺となこが2人で入っても余裕だし。



「タオル…いる?」

「巻きたくねぇんだろ?もうイイよ、タオルしなくて。俺もしねぇし」

「わかった‼︎」



慣れっから。



なことの生活に常識なんて通用しねぇ。



2人の間だけでのルールを作ろう。



最低限の常識は教えるけど…。



なこに辛い思いさせるようなことはしないから。



「なこ?これ、お土産」

「おみやげ…?なぁに?」



お土産の意味も知らないなこ。



一個ずつ教えてやるからな?



「仕事の間にな、時間が空いたから。なこに飼ってきたんだ」

「これ、なに?」

「シャンプーハット。これ被ってシャワーしても、水が顔にかかんねぇの」

「すごいね」

「試してみるか…」



タオルは買いに行く時間がなかったけど。



少しずつなこ専用のものも増やしていこう。