『うわーんっ!誰か助けて』 噴水公園にある大きな木の上で、必死に幹にしがみつきながら助けを呼ぶ。 『茜!』 木の下から私を呼ぶ声が聞こえ恐る恐る下を見ると、木を登ってくる一人の男の子。 物凄い速さで私の所まで到達した男の子は、私の頬を流れる涙を拭った。 『馬鹿だな、茜は。俺が来たからもう大丈夫。ほら、もう泣くなよ』 涙で男の子の顔がボヤけてるけど、右頬にほくろがある。 誰?アキ?それともーー…