階段をこの上ないくらいの速さで駆けのぼる。


バァァアアン––––––


勢いよく扉を開けた私に驚いた拓馬が私を見る。


拓馬?

何か隠してるでしょ。

私には分かるんだよ?


「ねぇ、拓馬・・・

私に何か隠してるでしょ。」


「俺は・・・ゴホッ・・・っ」


拓馬!?


「ちょっと、大丈夫?

風邪引いちゃったの?」


私はとっさにそう言った。

本当は分かってたんだけど。

きっと病気のせいだって。

拓馬は私に隠してるから、

私も何にも言えないんだけど・・・。