あなたがいたから、幸せでした。



俺の昔の口癖は、


『何で俺なんかを産んだんだよ』


という、悲痛な嘆きだった。


もう、この世にいることには変わりないのに、

それさえも恨むという俺。


その言葉をよく母さんに言っていた。


母さんは決まって、


『ごめんね。ごめんね。』


と、執拗にそれを繰り返した。


泣きながら言う謝罪の言葉は、

俺も相当こたえた。

何度も母親を傷付けた挙句、

母さんは子供を産まなくなった。


俺に兄弟はいない。

それはやはり、母さんが産むのを拒んだからだった。


流産させるのも、せっかくの命を無駄にするからと、

両親は男女の営みというモノをしなくなった。