人に何かあげるのって、スゴく苦手。


それに、巳波は彼氏じゃないもん。



男の子にプレゼントする時は彼氏限定。



他の人には特別には、あげたくない。


もらいたくないしね。


たとえ相手が自分の好きな人でも。



食べ物とか、無くなっちゃうものだったらいいけど。


形に残るものは、ほしくない。


それを見る度に思い出しちゃうから。


嬉しかったことと同時に、

悲しかったことまで。




そんなに想いが詰まってたら、
捨てることだって
できなくなるでしょ。


だから、プレゼントって好きじゃないんだ。





「これ可愛い〜」


安いアクセショップで、未来がキョロキョロしてる。


「ね、どっちがいいと思う?」


差し出されたイヤリング。


「こっちのが可愛くない?」


そう答えて、
2つのハートが繋がった
桃色のイヤリングを指した。


「やっぱりぃ〜。
じゃあ、こっちにしよー」


未来は、とってもご機嫌な様子。




買い物を終えた後。

「夜ご飯どこで食べる?」


ママと未来と歩きながら相談。



悩んだ末に、近くにあった牛丼屋さんに入った。


東京に来て牛丼とか、普通すぎる……。





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