虹の架け橋


京ちゃん凄かった。
ほとんど台詞合ってたし。
それより演技が上手かった。

この人が上手いとか下手とかは
分からないけど京ちゃんの演技は
私でも分かるくらい上手かった。

すごく…吸い込まれそうだった。

「終わったけど?」

京ちゃんが我に返り連嬢さんに
終わりを告げる。
連嬢は何も話さない…。

「どうして!?あの…短時間で…」

悔しそうな表情を見せながら呟く。

「残念。台詞は何回か間違えてアドリブに
なってる。だから台詞は完璧じゃない。」

諒くんが台本を見ながら
京ちゃんが間違えた所を言った。

「やっぱりバレた?さすが諒。」

「私…分からなかった。全部…台詞
覚えてるはずなのに…。」

連嬢さんは下を向き顔を見せない。
でもすごく悔しそうだとは声で分かる。

「私に…その演技…教えてくれない?」

え!?京ちゃんが!?
演技を教えるの?
何かすごいことになった…。

「なんで?嫌や。なんで京が教えやな
あかんの?」

「それに…その状態じゃ歩けない。
演技出来ても意味無いんじゃない?」

京ちゃんと諒くん…はっきり言うな。
さすが双子だね…。