「中原さーん!」

まただ…。
廊下を歩いていると後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
この声は確実に…

「何?堺さん。」

「テニス部入りませんか?きっと中原さんが入れば…。」

顔の前で手を合わせる堺さん。
はぁ……。

「ごめんなさい。毎日誘われても私の答えは変わらないの。」

「そうですよね!ごめんなさい!呼び止めて……」

「いいの…私の方こそごめんなさいね。」

「いいえっ!じゃっ!」

いつも通り、断ると堺さんは走って、去っていった。