ヴァイオリンとフルート

 佐藤はとくに気にしていない様だった。
 そして優奈が質問した。

「あの、演奏大会って?」

「あぁ、毎年やってるんだ。2人1組となって楽器を演奏するんだ。賞品もあるよ。」

「そうなんですか。」

「君達は出ようと思ってるのかい?」

「如何する?涙菜。楽しそうだけど・・・」

 涙菜は小さく頷いた。そして佐藤が発言した。

「今年は女の子が2人出るのか。楽しくなりそうだなぁ。」

 それには、リアクションをあまり出さない涙菜も大いに首を傾げた。

「女の子って・・・僕?」

 優奈が少し震えながら言った。

「えっ?君、男の子なの?」

 優奈は落ち込んでしまった。変わりに涙菜が首を縦に振る。

「それは御免、顔立ちが整ってるし、肌も白いから。ほんと御免。」

「いえ、気にしていません。」

 優奈は絞り出すような声で言った。