「蒼介さん、
ファーストフードもファミレスも
ダメ、なの?」



「だって、あんなとこ、
ナンパされる以外に
なにしに行くんだよ?」



「 ……ご飯を食べに。」



蒼介さん、いったいどんな高校生活
送ってきたんだろう…。



「私は浮気なんてできないよ…。
だって、私、
お兄ちゃんと蒼介さ…イ、イタイッ!」



そこまで言って、蒼介さんに頬っぺたを
思い切り引っ張られた。



「痛いよぉ…。」



「お兄ちゃんお兄ちゃん、
言ってんじゃねぇよ。

お前はもう俺のもんなの!
お前が安心できるのは、
俺だけなの!

お兄ちゃん禁止つったろ?
わかったか?」



「は、はい。」



でも、浮気しそうなの、どうみても
蒼介さんだけどなぁ。



「あー、帰したくねぇ…。
このまま連れて帰りてぇ。
モモと離れたくねぇ。」



そう繰り返す蒼介さんの胸のなかで
身も心も溶けてしまいそうだ。