「突然送られてきたのか?」


「うん」


「他には?なにかされてないか?
つけられたりとか…してないのか?」



「メールだけ…だと思う。

誰かにつけられるなんて、
考えたこともなかったから…

よくわからない…。」



お兄ちゃんのひきつった表情と
青ざめた顔色をみて、

改めて自分自身に起こっている
事の重大さが
じわじわと現実味を帯びてくる。


背中に冷たい汗がつたう。



「最初にメールが届いた日に
なにか特別なこと、なかったのか?」



イライラした口調で
お兄ちゃんに聞かれるけれど、


なにも
思い当たることはない。



「いつもと違うことなんて
なかったと思う……

あっ…

お兄ちゃんにお弁当届けたことと、
お兄ちゃんの友達から
携帯電話を預かったことくらい…」



「……え?……弁当?」



しばらくの間、
お兄ちゃんは金色の髪の毛を
クシャクシャにしながら
考えこんでいた。